スポーツマニアによる
スパイクシューズ講座

スパイク!スパイク!

山用スパイクシューズ(1)

山用スパイクシューズ(長靴)

山用スパイクシューズ(長靴)は通常の長靴の靴底に多数のスパイクピンが埋め込まれていて、雪国では欠かせない商品です。特に雪かきをする場合には効果てき面です。路面がアイスバーンになっていても滑らず、雪かきの作業効率は格段に良くなります。そして東北地方の食文化の一つである山菜やキノコを採る場合でも使われる事が多い商品です。小さな沢筋を歩く場合にも滑らず、しかも濡れずに行動できますし、一寸した草付きや急な斜面でも安心して登降できます。また、東北地方では登山で使っている方も多く見受けられます。積雪期や残雪期の山々をアイゼンを必要とせずに、縦横無尽に駆け巡るのはスパイク長靴ならでは。それに登山道の整備状態が悪いのも東北のマイナー山域の特徴で、ステップが薄く、薮っぽい山道を歩く時には欠かせない靴です。但し、道が整備された有名山では木の根を痛めるなど、環境インパクトの見地から使用するのは問題ありと考えられます。

山歩き用の靴とは何か

今は軽登山靴であれ、トレッキングブーツであれ、履いている人はほとんど全部、靴が足首をいためるのを防いでくれていると考えている。登山道は不整地だから、足さばきが悪ければ着地の瞬間に振られてグラリと足首をひねるかもしれないと、誰だって思います。だから、足首をビシッと絞めておかなくては危険なのだ、と考えます。登山靴はいまや、そういう足首保護靴として売られています。もうひとつは、下り坂で足が靴の中で勝手に前滑りして爪があたって傷めるのではないかという不安があります。足首をガッチリ固めておいて、靴の中で足が前方に滑らないようにしておく必要があるという考え方です。ついでにいえば、雨の日でも足を濡らさない防水性がほしいです。雨の日に車で出かけるように、オールウエザーの山靴で出かけたいという気分が最後まで残ります。旅行会社が主催する登山ツアーのパンフレットなどを見ていると、軽登山靴やトレッキングブーツなど、「山歩き用」の靴をはくように指定していることが多いです。登山のガイドブックでも「登山用の靴」をはくように指導しています。

競技能力を高めるスパイクシューズ!

山歩き用の靴概要

登山用の靴の多くがいまや限りなく「登山靴」から離れてしまったことはお話しましたが、それでは「山歩き用の靴」でないものは、一般にどうイメージされているのでしょうか。極端にいえば、ハイヒール。観光地とアウトドアの境界が、ハイヒールで歩けるかどうかで仕切られていることが多いです。それからタウンシューズ。歩きやすくつくられているタウンシューズなら遊歩道から登山道へと入り込んでいけるのですが、ドロドロ、ヌルヌルの泥道を歩いて、靴は大丈夫でしょうか?汚れても良い靴と、困る靴とに分かれるでしょう。そうすると、次に出てくるのがスポーツシューズ。よく「運動靴」とひとくくりにされますが、歩く靴から走る、跳ぶなどいろいろあります。野球のスパイクシューズにしてもいまは驚くほど軽いそうですが、試合用のシューズはとことん軽くして、トレーニングシューズは足に優しく、ゆったりと丈夫なうえに、安全機能を加えてあるというのが一般的な考え方になっているかと思います。

登山靴のバラエティ

そして、山歩き用の山用スパイクシューズ。登山技術の領域で分けてみると、まずは最上位に厳冬期対応の高所登山靴があります。保温性と靴内の湿度調節能力が必要で、インナーとアウターの二重になっているものもあります。アイゼンを装着することを前提にしているためと、岩場で小さな岩角にも立てるように、靴底を含めて、強固な外壁を構築しています。ダブル構造であるか、シングル構造であるかによって重厚度は違ってきましたが、「登山靴」というのは本来このクラスの靴をいいます。重くて堅くて高価な靴だ。その下に軽登山靴とかトレッキングブーツがあります。明確な区分があるとは思えませんが、耐久性と防水性と、価格帯とで判断することになります。相対的選択ということになります。あるいはメーカーの姿勢によって判断するという考え方もありますが、その場合には本格的な登山用品店で、信じているメーカーの靴が自分の足に合うかどうかをまずチェックしましょう。登山靴は使用する木型によって、顧客の足のかたちを選ぶ場合が多いです。

登山靴のあれこれ(1)

軽登山靴は本格的な「重登山靴」から何を削って「軽」にしているかというと、もちろん重さが軽い…とはいいにくいです。重登山靴の重さが1kg前後に対して、800~900gのものがいくらでもあります。削ったのは耐久性。それも何年持つかということよりも、防水性や保温性が何日の連続使用に耐えるかということで数日間対応が軽登山靴なら、数週間対応が重登山靴と考えて良いです。かつて天然繊維100%の時代には、革の厚さと表皮の有無と、革質(野牛の革が珍重された)など、あきらかに軽重の違いですが、化学的な新素材で組み立てられる最先端の重登山靴はいわばレース用だから、意外に軽くできていたりします。重さに大きな違いがないとすると、どこが違います。分かりやすくいえば、10本爪~12本爪の本格的なアイゼンを装着したときに完璧な一体感が得られるかどうかというところに向かって最大限の努力を注がれているのが重登山靴と考えていいのではないかと思います。スキー靴のように強固なアウターシェルを実現しています。

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登山靴のあれこれ(2)

逆に軽登山靴も積極的に獲得しようとしたものがあります。それは平地の歩きやすさ。本格的な重登山靴で走ってみるとよく分かりますが、ブルドーザーが全速力で走っているような気分になります。ドタ靴と呼ばれるゆえんです。軽登山靴はそのドタ靴から脱却して、平たい道をスマートに歩けるようにしています。軽くしたというのではあります。やわらかくしたのです。つまり堅い登山靴から柔らかな登山靴への変身が「軽登山靴」というジャンルを成立させたのです。それはアウトドアでのプロ用ワーキングシューズとしての地下足袋、ゴム長靴(林業用、狩猟用など多彩)、スノーブーツ(スパイクシューズから厳冬用保温靴までいろいろ)、ワーキングブーツ(アメリカインディアンのモカシンなどに由来する革製の長靴)などとも共通するアウトドア対応靴の万能化と考えて良いでしょう。